<里奈Ver.><br>―あの頃の二人を、君はまだ覚えてる...?<br>誰もが羨む生活、裕福な恋人。不満なんて何もない。<br>でも―。<br>幸せに生きてるはずなのに、私の心の奥には、青春時代を共に過ごした同級生・廉が常に眠っていた。<br>人ごみに流され、都会に染まりながらも、力強く、そして少し不器用に人生を歩む美貌の女・里奈。<br>これは、悪戯に交差する二人の男女の人生を、リアルに描いた“女サイド”のストーリー。<br><廉Ver.><br>―なぜ今、思い出すのだろう?<br>若く、それゆえ傲慢だった同級生・相沢里奈の、目を声を、ぬくもりを。<br>あの頃の僕らは未完成で、足りない何かを探しては傷つき、欲することに夢中だった。<br>だから気づかずにいたんだ。ずっとそばにあった、かけがえのないものに。<br>持ち前の器用さと明るい性格で、比較的イージーに人生の駒を進めていく一条廉。<br>しかし東京は、平穏な幸せを簡...